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〈問題意識〉
そもそもは、植物に対する知識を深めるための遊び道具を制作したいと考えていました。ただ、植物の知識を修得することが子どもたちにとってどのようにプラスになるのかということがあまり思い描けませんでした。もちろん、自然を大事にするとか、そういうメリットはあるかもしれませんが、それが本当に自分のやりたいことではないように感じていました。そんなときにフィールドワークがてら参加した子ども向け工作ワークショップで、作り方の手順が示されており、道具や材料もきちんと用意されているにもかかわらず、手が止まってしまったり、上手く用いることができずに投げ出してしまう子どもの姿を見ました。始めは、単に根気のない子どもなのかもしれないと思っていたのですが、少し素材の扱い方のヒントを出したとたん、次から次へと作品をつくり出しました。ということは、手が止まるなどしてしまうのは素材そのものと向き合う機会が少ないからであると考え、それならばそのような機会を生み出せばよいのではないかということから、現在のような研究に取り組むことにしました。


〈活動の定義〉
わたしがいま取り組んでいる研究活動は、子どもたちに自分の手でものをつくることの楽しさを感じてもらうため、そして子どもたちのものづくりの可能性を広げるために、素材と様々な関わり方をするためのプロセスやツールを考え、実際に子どもたちに使ってもらうことによって、「こんな仕組みなんだ!こんなことができるんだ!」というような、素材に対する発見を促す活動である。


〈データの入手方法〉

  • 幼稚園、保育所、小学校などにおける子どもたちの遊び方、工作活動の観察調査
  • プロセス、ツールのユーザーテストおよびそれらを通じてのフィードバック
  • ワークショップの検討、実践
  • 先行研究:レッジョ・エミリアの教育方法


〈対象範囲〉
年齢別ではなく、ある程度対象とする素材に慣れ親しんだ子ども、あまり触れたことの無い子ども、初めて触れる子どもという分類で研究を行ないたい。


〈調査の目的〉
子どもはそもそもどのように素材(いつも扱っているもの、初めて扱うものなど)と向き合っているのかということを、工作などの活動の観察を通じて調査する。また、発見はどのような瞬間に生まれるのか、発見したとき子どもはどんな様子か、自分だけの力で発見をするのか、周りのファシリテーションにどのような影響を受けるのかということについても観察調査を行なっていきたい。

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ある授業で紹介された、「調査という活動を定義(点検)するためのリスト」の項目にのっとって自分の研究についてまとめてみました。自分のやっていることを端的に相手に伝えることができるよう、もっと文章をブラッシュアップしていきたいです。