063

id:uakiraさんの『公団ゴシックの退化と新しい標識書体について』
http://d.hatena.ne.jp/uakira/20100927
というエントリーを拝見し、そこで紹介されていた本に
とても興味が湧いたので、早速読んでみました。




山根一眞氏の『変体少女文字の研究 ―文字の向こうに少女が見える―』
(asin:4062020718)という本です。
丸文字、マンガ文字などといった「変体少女文字」は、
いつ頃から使われ、それらはどのようにして広まったか、
更にそこからどんなことが読み取れるか、などが述べられています。
これは、昭和61年に発行された書籍なので、
この中で取り上げられている「変体少女文字」は、
なんとなく古臭い印象を受けました。
というか、私の両親や、これまで教わってきた先生方が、
「変体少女文字」が登場した昭和57年頃に
ちょうどその文字を使用していた世代のようです。
なので、普段から目にする機会が度々あったので、
不思議な形の文字、というよりも、
一部の大人が使っている特殊な文字というイメージがあります。


小中高と思い返してみると、確かに同じ学校にいて
毎日顔を合わせている友人と、
一日に何度も手紙のやり取りをしていました。
そしてその内容は、今読み返してみても意味が分からないような
その時の感情や状況が話し言葉でつづられているだけでした。
ですが、そこで使われている文字やペンの色、
メモ帳のデザイン、落書きなどへのこだわりは非常に高かったようです。
感情によってペンの色や文字の表し方を変えてみたり、
一日の中で同じメモ帳は使わないという暗黙のルールがあるかのように、
ほとんど全て異なったデザインのメモ帳が使われていました。
色々な雑誌では、手紙の書き方に関する特集が何度も組まれており、
文字の書き方や、誤字の訂正の仕方、メモ帳の折り方などについて
とても細かく説明されていたことを覚えています。
手紙の中で、他の子とどうやって差をつけるか、
その頃から女の戦いが始まっていたのかもしれません。(笑)


「変体少女文字」は、すごい速さで日本全国に広まったそうですが、
私が中学・高校生だったときは、そのように皆同じような文字を書いていた
という記憶はあまりありません。
逆に、丸文字やマンガ文字以外にも、
もっと多くの文字があったように思います。
それは、元祖「変体少女文字」を書く親を持つ子がそれを真似したり、
自分で更に新しい文字を発明する子がいたり、
丁寧な楷書を貫きとおす子がいたりと、
古いものと新しいものが、ちょうど混ざり合う世代だからなのかなあと
この本を読んで思いました。


文字以外にも、部屋や持ち物の移り変わりから
どのようなことが読み取れるのか、非常に興味が湧きました。






逆に男の人の文字は、あまりバリエーションがないように思います。
クリックお願いします^^
↑クリックお願いします!!