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研究について、やりたい方向は見えているのですが、
それをどうやって形にして、前に進めていけばいいのかが全然見えていません。
とても焦っています。どんどん周りとの差が開いていっちゃう。

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まだ途中までしか読むことができていないのですが、
ロジェ カイヨワの『遊びと人間』という著書の中で、
遊びについて以下のように分類が可能であると書かれていました。

競争:agon(アゴン)
―サッカーやビー玉やチェスをして遊ぶ
偶然:area(アレア)
―ルーレットや富くじに賭けて遊ぶ
模擬:mimicry(ミミクリ)
―海賊ごっこをして遊んだり、ネロやハムレットを演じて遊ぶ
目眩:ilinx(イリンクス)
―急速な回転や落下運動によって
 自分の内部に器官の混乱と惑乱の状態を生じさせて遊ぶ


わたしは、これに「創作」を追加することで、
遊びを5つに分類することができるのではないかと考えました。


●競争
—1人もしくは複数人で勝負をして楽しむ遊び。遊びに対して遊戯者の力が及ぶ。
●偶然
—ルーレット等賭け事をして楽しむ遊び。遊びに対して遊戯者の力が及ばない。
●模擬
—「○○ごっこ」などのように、何かに扮したり演じることを楽しむ遊び。
●目眩
—急速な回転等により、自分の内部に器官の混乱状態を生じさせて楽しむ遊び。
●創作
—素材を用いて新たに物を作ることを楽しむ遊び。


前回はとても曖昧な分類だったので、
それに比べれば少し理解がしやすくなったかな、と思います。
そして、この中でも「創作遊び」では、
他の遊びに比べて紙や糸などの人工物を使用しているものが多く、
これは、その植物で遊ぶ時間に関係していると考えられます。
つまり、道具を用いることによって、
植物に深く関わらせることができるのではないかと推測しています。
(このあたりは前回とほぼ同じ流れです。)


そして問題はここからです。
まず、「モノを通して植物と関わりながら遊ぶ方法」として、
大きく分けて以下の2つの方法が挙げられるのではないかと思います。


1.元々存在している遊び道具の中に植物を取り入れる
http://www.uniquestandards.com/item/2273-601.html http://www.assiston.co.jp/?item=2049
(左:神経衰弱ゲーム(siebensachen)/右:Sola cube(宙-SOLA-))
(1)(左)神経衰弱カードのように、紙等に写真がプリントされているものなど
(2)(右)Sola cubeのように、透明な樹脂で植物が包まれているものなど


2.「創作遊び」に用いる
(1)植物を加工する為の道具が提供されている
(2)植物と植物、または他の何かを繋ぐための素材やパーツが提供されている
―形状が変化する(ex.粘土...)
―形状が変化しない(exねじ、くぎ...)
(3)素材として加工された植物が提供されている


それぞれに対する私なりの考察は以下の通りです。


まず、本研究では「手工玩具」の制作を目的としているということを考えると、
1.の場合は自らの手で何かを作るのではなく、単純に玩具で遊ぶことが
目的となってしまうため、研究のコンセプトにそぐわない。
2.(1)の場合、既存の道具を使用した場合との差が明確でないと
結果として植物遊びの幅は広がらないのでは?と思います。
道具単体としてでなく、様々な植物遊びのための道具を詰め込んだ
キットのようなものだったら面白いかもしれません。
2.(2)の「形状が変化するもの」の場合、素材の開発ということで
デザインよりも理学部の研究寄りになりそうです。
「形状が変化しないもの」はとても魅力を感じますが、
いかんせんmakedoの二番煎じにならないか、それがすごく不安です...。
2.(3)は「千彩」を創作遊びの素材として提供した場合、
どんなものが生まれるのかということに興味があり、
今回方法の1つとして挙げました。
コストを考えると非常に非現実的なのですが、
初めから完成された状態の「千彩」を与えるのではなく、
「千彩」に近い植物素材を自ら制作するところから始める、という
創作遊びのプロセスそのもののデザインだったらまだ現実的かもしれません。

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研究会でも言われましたが、植物のどのような点を
ユーザーに学ばせたり気づかせたりしたいのかということが
まだ定まっていないため、具体的なアイディアを出すことができません。
植物に対する知識が無さすぎる。もっと勉強しなければ。
あとは、「この玩具で遊べば植物の知識が習得できる!」というものではなく、
それで遊ぶことによって、「これはどうなんだろう?」と
自ら前に進みたくなる「きっかけ」を作ることができる玩具というのも
面白いかな、と考えているところです。
(玩具としての評価の仕方がすごく難しそうですが)


とりあえず、まずは植物と真剣に向き合ってみる必要があるようです。