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この本では、こってりと工業デザインについて語っているのではなく、
そのデザインを成り立たせている「美しさの法則」について、
デザインに関する知識が全く無い人にも分かりやすく述べられています。


例えば、なぜ黄金比は美しいとされているのか。
そもそも黄金比は、古くから美しさを表すものとして
扱われてきたわけではないそうです。
確かに、美しさとはどうしても数式として表わすことは難しいでしょうし、
人の心があってこそ、美しいか美しくないかを
判断することができるのだと思います。
ですから、様々な画家達が美しい作品を生み出してきた中で、
黄金比というひとつの目安を用いると、
どうやら安定した美しさのある絵が描けるらしい、ということになり、
そこから、黄金比は美しいという考え方に
なったのではないかな、と思います。
(あくまでこの本を読んで感じたことなので、
 正しいかどうかは分かりません...)


また、人間工学に関する章の中で、
人間工学は、第二次世界大戦時から考えられるようになり、
それまでは“人が機械に近づく努力”をしていたものが、
それからは“機械を人に近付ける努力”を
するようになったのだと書かれていました。
デザインをする上でとても大切なことではないかな、と思いました。
昔は、とにかく技術を進歩させるためには、
使いやすさを気にしている余裕がなかったために、
“人が機械に近づく努力”をしなければならなかったのだと思います。
しかし、近年、美しいが使いやすさは
イマイチというモノが多くあるように感じます。
技術が発達し、利便性も向上し、
今度は美しさに力を注ごうとなったとたん、
また昔のように“人が機械に近づく努力”を
しなければならなくなったのかな、と思います。
あれもこれもと欲張ることはあまりよくないと
言われるかもしれませんが、
やはりよりよいデザインを目指すためには、
あれもこれもを叶えることが重要なのではないでしょうか。



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