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以前、記事115で「集める」に関係する事柄を、以下のように行為として3つの段階に分類し、
それぞれの段階で使われるであろう道具について考えました。


①「集める」行為を行なっているとき/「集める」行為そのもの
(1)「集める」という行為を物理的にサポートする道具
(2)「集める」という行為を心理的にサポートする道具
(3)意外なものを集められるようにする道具
(4)遊んでいるうちに偶然「集まっている」道具

②「集める」行為が完了したとき/ある対象物や事柄が「集められた」「集まった」とき
(1)「集める」ことで完成となるための道具
(2)「集めた」ものをアーカイブするための道具

③「集まった」対象物を、ある行為、事象などによって次の段階へうつすとき
(1)「集めた」もので遊ぶための道具
(2)「集めた」ものを観察するための道具


そして更に記事116では、前に挙げた項目から面白みを感じているものをピックアップしました。


①意外なものを集めることのできる道具
ー見えないもの(ex. 音、空気、光...)を見える化して集める
ー見えているものを見えない化(?)して集める
ー見えているものを他のかたち、状態に変換して集める
Life of Gearge のように、スキャニングしたものを全てレゴに置き換えるような)
②遊んでいるうちに偶然「集まっている」道具
ー走り回ってるうちに洋服にたくさんくっついているというような
ー万歩計のように行為を集めることができる
③集めたものを観察ではなく“感察”できるような道具
ー視覚的にだけでなく、五感を使って対象物と向き合うことができる


ここで改めて読み返してみると、「①意外なものを集めることのできる道具」と、
「②遊んでいるうちに偶然「集まっている」道具」
「集める」という行為そのものにフォーカスしており、
本来の研究目的である、素材への理解を深めるということからは少々ズレています。
「③集めたものを観察ではなく“感察”できるような道具」は、
「集めた」対象物との向き合い方に関わるものなので、今回の研究に則しています。
しかしどの項目も、行為や対象物など、
「集める」という時系列のうちの一部だけに働きかけるものでしかありません。
この研究では、部分を考えるのではなく、フロー全体をひとつとして考えるべきなのだと思います。
「集める」から「関わる」まで全てをサポートするツール。
キットではなく、それひとつで全体を賄えるとなおいいですね。
その中で、集めることに重点をおくか、関わることに重点をおくか。
もはや目指す形が玩具とは遠くなってきましたが、また少し考えがまとまったような気がします。