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自分の研究の方向性を再確認するためのメモです。

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◎そもそも素材についての理解を深めることでどうしたいのか?(どうなるのか?)


・どんな特徴があるかを知ることで、素材自体を扱いやすくなる
・ものづくりそのものの発展
・ここにはこんな素材を使うといいかもしれない、
 などというものづくりに対する積極性、創造性の向上
(形状だけでなく、質感や匂い等が素材選択のキーになると尚良い)
・ある“もの”になぜその素材が使われているのかを知る、考えるきっかけになる
・かたちだけでなく、素材そのものも、ものの選択基準のひとつになる
・素材の新たな側面を発見することで、なぜ?という疑問を生じさせ、探究心を高める


→作り手として、ユーザーとしての両方の目を養うことにつながる

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このテーマは、完全に自分のコンプレックスからきているんだなと実感するようになりました。
今の学校の学生に比べて、自分の素材や道具に関するあまりの知識の乏しさに
自分は大学4年間でいったいなにをしてきたんだと後悔する毎日です。
なので、これからものづくりをするかもしれない子どもたちにはこんな思いをさせたくないというか、
もっと広い視点で自由にものを作ってほしいと考えています。
もしかしたら、子どもだけじゃなくて大人だって使っていいかもしれない。
かたちだけじゃなくて、素材にもこだわりを持ち、
これまで以上にものと深く関わっていくことができたらな、と思います。


関係ないと思っていても、意外と物事はつながっているんですね。

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子どもに関する色々な取り組みを行なっている施設や団体のまとめメモです。

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〈日本〉
国立科学博物館 デジタル学習コンテンツ
http://www.kahaku.go.jp/learning/digital/index.html

国立国会図書館国際子ども図書館絵本ギャラリー
http://www.kodomo.go.jp/gallery/index.html

世田谷美術館キッズイベント
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/event/kids.html

・ワンダーミュージアム
http://www.kodomo.city.okinawa.okinawa.jp/page/wonder/wonder.html

ソニーエクスプローラサイエンス
http://www.sonyexplorascience.jp/concept/index.html

・未来クル・MIRACLE こども未来創造プロジェクト
http://miracle-kids.net/ja/


〈海外〉
アメリ
・National Children's Museum
http://www.ncm.museum/

・Association of Children's Museums
http://www.childrensmuseums.org/index.htm

・the Miami Children's Museum
http://www.miamichildrensmuseum.org/education/

・A&D(M school of art&design)
http://art-design.umich.edu/programs/summer

・children's technology workshop
http://www.ctworkshop.com/CTWBM/CTW%5FBM/



・The Power of Drawing
http://www.youngrembrandts.com/Programs/


●フランス
・Musée pour enfants de Laval
http://www.museepourenfants.com/

・Musée d'Orsay: L'atelier pour enfants
http://www.musee-orsay.fr/fr/espace-particuliers/particuliers/5-18-ans/latelier-pour-enfants/presentation-generale/article/latelier-pour-enfants-724.html?tx_ttnews%5BbackPid%5D=98&cHash=1a6df332b8


●イギリス
・EUREKA!
http://www.eureka.org.uk/AboutUs/

・The Delaware Children’s Museum
http://www.delawarechildrensmuseum.org/

・The V&A Museum of Childhood
http://www.vam.ac.uk/moc/about_us/index.html


●韓国・National Gwangju Museum
http://gwangju.museum.go.kr/en/05_menu/sub_05_01.jsp

・National Museum of Contemporary Art, Korea
http://www.moca.go.kr/eng/engEduNEvt.do?_method=programArt

・The Community Arts Project
http://www.childrensartsproject.org/


デンマーク
・CREATIVE ACTIONS
http://creativeactions.com/category/filter/year/2010/


●ハワイ
・Hawaii Children's Discovery Center
http://www.discoverycenterhawaii.org/pages/specialevents/joinus.htm

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前回のレビューでのFBです。

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・子どもを対象とするなら、もっと子どもに接近したほうがいいのでは?
(ex.WSに参加する、プロトタイプを実際に使用してもらう...)
・モノがあることでイメージを共有しやすくなる。
・分からない状態でもまずは試行錯誤をし、手を動かすことはいいこと。


・「集める」という言葉から直ちにコレクションボックスに行ったのはやや安易。
 「集める」行為そのものに肉薄したい。
・「集める」という作業は、(1)集めてハコに入れる、というレベルと
 (2)ハコを集める、というレベルもある。
・こうしたケースがあれば、集めてみようという気になるのかもしれない。
 つまり、「集める」ことをまずはアフォード、もしくは促すハコを作ることが必要。
・何かを制限することでより素材に触れさせようとするのは面白い。
 触感にフィルタをかける、触れ方を指定する、
 というように「妨げる」ツールを提案というのもアリ?
・関わり方を変えさせる、普段使っているモノを少し変化させてみるとか。
(ex.メガネをカラーフィルムに...)
・「フタの交換」は子どもにとって煩雑ではないか。
・コレクションの魅力のひとつに「一覧できる」ということがあると思う。
・今回はどちらかというと「集める」ことよりも「関わる」ことに重きを置いていたように思う。
 「集める」ことで子どもの興味を引き、
 「関わる」ことにうまくバトンを渡せるようなものにしてほしい。
・「関わる」ことだけでなく、「集める」ときのワクワク感にも注力できるといいのでは。


・まずは類似研究、商品などをサーベイすることから。
・「予期せぬ使われ方」を探究してみては?
・「出合い」という言葉は良いかもしれない。
・年上の子どもでなければ、集めた後に関わるところまでいかないような気が。
・子どもが「集めたい」と思うのは何故か。そこからヒントが得られるかもしれない。
・モノを作ることだけでなく、状況そのものについて考えてみては。
・素材の「法則」について探ってみても面白いかもしれない。
・ものを集めることを対象物との関わりのスタートに置いているが、
 人が何かを集めるときは、集める動機として何らかの執着があるように思う。
 執着がない状態で大人が集めるように仕向けるのはそもそも無理があるのでは?

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このFBを通し、ハコ、フィルター、法則という言葉がひっかかりました。
あとは、ORFやWS等で自分の研究について説明をする際に、
いつも「どんな素材を想定しているのか」という質問を受けるのですが、
具体的な対象を定めていないため、検討中としかお答えできていない状態です。
確かに、プロトタイプそのものだけじゃなくて、
対象となる素材の例をあげていないので、いまいち相手と考えを共有できていないのかもしれません。
ハコや方法などの周りから考えるのではなく、
例えば紙など、対象をひとつの素材に絞って検討することも有効な気がします。


最終的な評価方法や、論文への落とし込み方を悩む前に、
まずはモノのかたちを考えなければ!

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前回のレビュー時のレジュメを抜粋しました。

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〈素材への気づきを与える支援ツールの提案〉


1.研究概要
本研究は、子ども自身の知見を広げることで、
環境に対する積極性や創意工夫の能力を向上させることを目的とする。
そしてそのために、ものを構成する素材の知識を深めることを促す、
「気づき」の支援ツールを提案する。


2.研究背景
近年の子どもを取り巻く大きな環境の変化として、
原体験に比べ疑似体験の機会が増加したことが挙げられる。
これにより、子どもは現実感を喪失する傾向にあり、
そのために適切な判断や選択を下す能力が低下しつつあるように感じる。
これまでに調査した子ども向け工作ワークショップのほとんどは、
ただ素材が与えられ、目標とする成果物をそれぞれが制作するというものであった。
しかしそれらの場では、素材をどのように用いればよいのか考え込み、
手が止まってしまう子どもが多々見られた。
つまりこれは、素材そのものに対する理解度が低いために、
子ども自身の思考と現実に大きな差が生じているからではないだろうか。
したがって、子どもにとって正確な知識を習得することだけでなく、
実際に五感を使って対象物を理解することも幼少期の知育において大変重要であると考えられる。
更に、素材に対する知見を広げることは、
新たなものづくりを行なう上でも非常に意味のある行為であると言える。


3.キーワード:「集める」
 これまでの調査から、「集める」ということが、
人と素材との新たな向き合い方におけるキーワードとなるのではないかと考えた。
「対象物を集める」〜それと「対象物と関わる」までは以下のようなフローになっている。

?、?の場合は「集める」行為そのものに、
?の場合は「集めた」対象物と「関わる」ことにフォーカスされている。
本研究では、「集める」行為は素材への理解を深めるための手段と位置づけている。
ゆえに、それぞれを切り離して検討を行なうことは、そもそも研究の意からはずれてしまう。
したがって、各段階の一部のみに着目するのではなく、
あくまでフロー全体をひとつの行為と見なし、
その中で「集める」ことに重点を置くか、「関わる」ことに重点を置くかを検討する。
そして、この考え方を元に、「集める」から「関わる」までを
一連の流れとしてサポートするツールの制作を行なう。


4.プロトタイプ
「集める」〜「関わる」というフローを把握するために、以下のようなプロトタイプを制作した。
 
 
厚さ2mmの塩ビ板でできた、一辺50mmの立方体である。
面のうちのひとつが取り外し可能となっており、
(1) 通常の平坦なもの―じっくり見る、振って音を聞く
(2)中心に直径20mmの穴があいたもの―指で触る
(3)白いビニールシートでできているもの―他の素材を通して関わる
(4)直径2mmの穴が多数あいているもの―匂いを嗅ぐ
の4つの交換用パーツを制作した。
外出時に見つけた自然物や、生活の中で発見した素材を
このケースに入れて、コレクションとして「集める」。
そして上部のパーツを交換することで、対象物と様々な「関わり」方ができるのではないかと考えた。
〈考察〉
・形状が定まらない素材(ex.粉末状、液状)の観察を行なう場合は、
 物を入れておくケースの必要性がある。
・観察対象物の形状や大きさの違いによって、使用ツールをどのように変化させるのか。
・遊んでいるという感覚はなかった。
・偶然集めたものから驚きを得るというよりも、中へ入れる対象物は、
 面白そうかどうかということを予想した上で選択するのではないか。 

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昨日の研究会でのFBメモです。

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・そのプロトタイプを用いることで、どんな体験ができるのか。
 リアリティを出すためにも言葉で表しておくべき。
・「マテリアルの新たな側面」の例を挙げたほうがいい。
・比較方法として:異なる素材で同じ形、同じ素材で異なる形
・「触りたくなる」:素材自体に魅力がある、その形をしている素材に魅力がある
・見た目では温度が分からないもの、見た目と実際では触感が異なるものなど
 ギャップを感じさせることで、素材の特性を理解させるのはどうか。
・ある素材を特定の方法で関わることをアフォードさせるようなもの

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毎日とても刺激的で、たくさんのことを学ぶことができているぶん、
今まで自分は何をしてきたのかなあと自己嫌悪することも多くなってきました。
いかにぬるま湯につかってきたか。考えることをしてこなかったか。
それ以上にアウトプット作業をしてこなかったことがとても響いています。
まず素材も工具もなにも知らなすぎる。技術もない。
たぶん、ここにいる限りずっとこの劣等感からは逃げられないと思いますが、
なんとかこれをプラスに捉え、成長につなげていきたいところです。

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昨日のプロジェクトMTGでのFBメモです。

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・見る、聞く、触るといった、割と単純な観察だけしかできないのか。
・対象物をちぎる、傷をつける、折るなど、
 異なる素材でも同じ行為を行なうことで見えてくるものがあるような気が。
・実際に集めてほしいもののサンプルと一緒だと分かりやすい。
・対象物のタイプによって、ツールを変えてみてもいいのでは?
(ex.流動体はそれが収まるようなケースに入れる...)
ブラックボックスは、元々入っているものが何かわからないからこそ面白みがある。
・単体や少量では触れる機会があっても、
 まとまった量を一気に触ること、見ることがないようなものは何か。

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以前、記事115で「集める」に関係する事柄を、以下のように行為として3つの段階に分類し、
それぞれの段階で使われるであろう道具について考えました。


①「集める」行為を行なっているとき/「集める」行為そのもの
(1)「集める」という行為を物理的にサポートする道具
(2)「集める」という行為を心理的にサポートする道具
(3)意外なものを集められるようにする道具
(4)遊んでいるうちに偶然「集まっている」道具

②「集める」行為が完了したとき/ある対象物や事柄が「集められた」「集まった」とき
(1)「集める」ことで完成となるための道具
(2)「集めた」ものをアーカイブするための道具

③「集まった」対象物を、ある行為、事象などによって次の段階へうつすとき
(1)「集めた」もので遊ぶための道具
(2)「集めた」ものを観察するための道具


そして更に記事116では、前に挙げた項目から面白みを感じているものをピックアップしました。


①意外なものを集めることのできる道具
ー見えないもの(ex. 音、空気、光...)を見える化して集める
ー見えているものを見えない化(?)して集める
ー見えているものを他のかたち、状態に変換して集める
Life of Gearge のように、スキャニングしたものを全てレゴに置き換えるような)
②遊んでいるうちに偶然「集まっている」道具
ー走り回ってるうちに洋服にたくさんくっついているというような
ー万歩計のように行為を集めることができる
③集めたものを観察ではなく“感察”できるような道具
ー視覚的にだけでなく、五感を使って対象物と向き合うことができる


ここで改めて読み返してみると、「①意外なものを集めることのできる道具」と、
「②遊んでいるうちに偶然「集まっている」道具」
「集める」という行為そのものにフォーカスしており、
本来の研究目的である、素材への理解を深めるということからは少々ズレています。
「③集めたものを観察ではなく“感察”できるような道具」は、
「集めた」対象物との向き合い方に関わるものなので、今回の研究に則しています。
しかしどの項目も、行為や対象物など、
「集める」という時系列のうちの一部だけに働きかけるものでしかありません。
この研究では、部分を考えるのではなく、フロー全体をひとつとして考えるべきなのだと思います。
「集める」から「関わる」まで全てをサポートするツール。
キットではなく、それひとつで全体を賄えるとなおいいですね。
その中で、集めることに重点をおくか、関わることに重点をおくか。
もはや目指す形が玩具とは遠くなってきましたが、また少し考えがまとまったような気がします。